2025/07/04
日本の伝統衣装である着物は、その季節ごとに合った素材とデザインで楽しむことができます。
特に、夏は猛暑の季節であり、着物を着ることが一見難しく思えるかもしれません。しかし、適切な対策を講じることで、涼やかに夏を過ごすことが可能です。夏着物には「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」、麻素材のものがあり、それぞれが持つ特徴を活かしながら、涼感を演出することができます。このような薄物は通気性が高く、見た目にも涼しさを感じさせ、着る人も見る人も快適さを体感できます。
振袖を着て夏を楽しむための対策を知り、より一層の和装ライフを満喫しましょう。
夏場に着用する着物には、主に「絽(ろ)」、「紗(しゃ)」、「羅(ら)」、「麻」などの素材が用いられます。
これらの着物は、通気性が良く、見た目にも涼しげな印象を与えます。
絽は、もじり織りと呼ばれる織り方で作られた織物です。この織り方によって、経糸同士が絡まり、一定の間隔で目が空いた状態になります。この隙間が風通しを良くし、涼感を演出します。また、絽の着物は透け感があり、フォーマルな場面でも安心して着用できます。
紗は、絽よりもさらに透け感が強い素材で、通気性が非常に高いです。そのため、猛暑の日には最適な選択と言えるでしょう。ただし、透け感が強いため、フォーマルな場面には不向きな場合もあるので、着用シーンを考慮する必要があります。
麻は、通気性と吸水性に優れており、夏に適した素材です。特に小千谷縮(おぢやちぢみ)や近江ちぢみは、日本の夏にぴったりの涼感素材です。麻の着物は、肌への貼りつきを防ぎ、見た目にも涼しげな印象を与えます。しかし、シワになりやすいという欠点もあるため、取り扱いには注意が必要です。
夏に振袖を着る際には、涼しさを保つための対策が重要です。
以下に、夏の着物を快適に着こなすためのポイントを紹介します。
まずは、通気性の良い絽、紗、麻の素材を選びましょう。これにより、熱がこもるのを防ぎ、快適に過ごすことができます。特に麻は、汗をかきやすい季節でも安心して着用できるため、おすすめです。
着付けをする際には、エアコンを20℃前後に設定した部屋で行うのが良いでしょう。また、着付け前にはベビーパウダーを使用して、肌をサラサラに保つことも効果的です。特に汗をかきやすい箇所には、制汗剤を使用することもおすすめです。
補正に使用するタオルを大判ガーゼに変えることで、熱がこもるのを防ぎ、汗を吸い取ることができます。また、ガーゼの間にジェルタイプの小さい保冷剤を挟んでおくと、さらに暑さ対策になります。
外出時には、直射日光を避け、日傘を使用することが重要です。黒の日傘はUV対策に効果があります。また、軽量で持ち運びやすい扇子を持参すると、涼しさを感じやすくなります。
汗ジミが気になる場合は、インナーに吸水性の高い素材を選ぶことが大切です。特に、脇の下や背中など汗をかきやすい部分には、吸水性のある布を使用したインナーを着用することで、汗ジミを防ぐことができます。
夏に着物を着る際には、素材選びと対策が重要です。
絽、紗、麻といった通気性の良い素材を選び、適切な対策を施すことで、猛暑の日でも快適に過ごすことができます。振袖を着る際には、着付けの工夫や外出時の対策も忘れずに行いましょう。
これらのポイントを押さえることで、夏でも着物を楽しむことができるでしょう。